はじめに
共通テストを受けられた受験生の皆さん、お疲れ様でした。
まだこれから受ける予定の高1、高2生の皆さんも、共通テストの英語がどんなものなのか早い段階から知っておくことをおすすめします。
この記事では共通テスト2022を踏まえて
共通テスト本番で、
9割以上をとるためにはどうすればいいか
についてお話ししていきます。
ちなみに、共通テスト英語リーディングの解答解説や本文の根拠を知りたい方はこちらをお読みください。
共通テスト2022英語の平均点は63点
共通テスト英語で9割取るためにまず必要なことは”相手を知る”ことです。
では今年の共通テストの英語はどのようなものだったのでしょうか。
2022年1月19日に発表された中間集計によると、
英語(リーディング) 平均:63点
英語(リスニング) 平均:60点
詳しくは↓
今回の共通テストでは数学や化学などでは平均30点台や40点台になるのでは?と言われている科目がある中で、英語に関しては特に大きく変化することなく昨年通りの難易度となりました。
結論:面倒くさすぎる!!
実際に私も英語共通テスト2022解いてたんですが、
正直、めんどくさい!!笑
全体の感想としてはセンター試験よりTOEICに近くなってきているような気がします。
次にリーディングとリスニングそれぞれの講評を以下に述べていきます。
英語リーディング講評

英語リーディングに関しての講評です。
全体的に英検準1級と2級の間くらいなレベル感だと思います。
解いてみた感想としては、
時間がない!
まず解いた人全員が思うことだと思いますが、
とにかく「時間が足りない!」
これはセンター試験の時からずっとそうですが、共通テストになってさらに色合いが強くなっています。問題文で聞かれていることを素早く理解し、解答の根拠を素早く見つけなければなりません。
速読力と精読力両方が試される試験です。
情報処理が大変!
「共通テスト」と検索すれば、いろんなところで「情報処理」という言葉を見聞きします。一度でも共通テストを解いたことがある人はなんとなくイメージが湧くと思いますが、ここで言う「情報処理が大変」とは、文章や図などに散りばめられた複数の根拠をもとに解答しないと正解に辿り着けないと言うことだと思います。
特に後半になってくると、
正解の根拠が1箇所や2箇所ではなく、3箇所、4箇所をみないと分からないという問題がたくさん出てきます。
ゆっくり時間をかければ理解できるような問題でも、あの限られた時間制限の中で複数の根拠を照らし合わせて回答しないといけないのはなかなか骨の折れる作業です。
やや難しい語彙の知識も必要
affordable ≒ reasonableの書き換えや、
warranty:保証
troublesome:厄介な、面倒な
など英検準1級、や1級レベルの単語を知らないと解けないような問題も含まれていました。
また、diurnal(昼に活動) / nocturnal(夜行性)という受験生はおそらく分からないであろう単語を出し、その意味を文脈から判断させるという問題も出題されました。語彙力がない受験生や分からない単語があったら文章全体の意味がぼやけてしまう生徒にとってはかなり難しかったのではないかと思います。
英語リスニング講評

次にリスニングについてです。
過去のセンター試験より明らかに難しい
5年前、10年前のセンター試験のリスニングと比べると明らかに難しくなっています。昔のように、普段はリーディングに力を入れて勉強し、リスニングは本番直前にサラッと過去問だけ解いて終わり。というようなやり方では全く通用しないと思います。
学校ではなかなか対策することがない”耳”の訓練は共通テストを受ける人は必ずやっておいた方がいいでしょう。
新傾向を知っておく必要あり
センター試験から共通テストに変わってまだ2年ですが、共通テストではどんな問題が出るのかは知っておく必要があります。
例えば、
・音声は2回流れるものもあれば、1回流れるものもある
・出来事を並び替える問題や表を埋めていく問題がある
・アメリカ英語だけでなくイギリス英語やその他の発音も出題される
・状況と問いを理解して解く問題がある
・聞こえてきた単語と答えに書かれている単語は異なる時がある(winter clothsと聞いてski wearが答えになる→第4問A)
などです。
どんな問題が出るか全く分からない中で出たとこ勝負で解ける人はかなりレアだと思います。
リスニング問題において、事前に問題文を読んで理解しておくこと(何が問われていて、どこに注意して聞き取るか準備すること)は非常に重要です。
測ってみると、音声が流れるまでに与えられた空白の時間、つまり問題文を読む時間は大体1分程度だとわかりました。この1分をどう使うのかなども練習を積んでおくといいでしょう。
一般的な知識があるとさらに解きやすい
共通テスト2022では、gig workやecotourismに関する問題が出題されました。
もちろんこれは英語の試験なので、前提知識がないと解けない問題は絶対に出ないのですが(分からなくても本文を読めばわかる)、エコツーリズムと聞いてなんのこっちゃさっぱり分からんという人にとってはかなり難しかったのではないでしょうか。
こういった社会的な情勢や世の中の流れについて今どんなことがトレンドになっているのかを知っていれば極論音声を聞かなくても解ける問題もあります。
だからと言って共通テストの対策のためだけにニュースを見ようとは言いませんが、日頃からニュース等に関心がある人は有利といえるでしょう。
高1でも9割とれる
これから共通テストを受ける方にまず知っていただきたいことは、
英語が得意な人の中には高1の段階で共通テスト9割や満点をとる人がいるということです。しかも帰国子女や海外経験のある生徒ではなく、一般の方です。たくさんいます。
英語以外の科目の中には、予備校講師が解いてみても難しいような問題が出題され、
「来年以降どう対策すればいいのかわからない」といった声も聞かれます。
しかし、英語に関しては「やればやるほど点数が伸びる」科目だと断言できます。
つまり、
英語は誰でも努力次第で「9割」取れるのです
共通テスト英語で9割とるには
高1や高2生で共通テストまでまだ時間がある方が9割取るために必要な勉強をお伝えします。
最低限の語彙と文法

まずこれを読んでいる方で中学レベルの語彙や文法にまだ自信がないという人は、真っ先に復習しましょう。高校生であれば中学英語の復習は早ければ1〜2週間で終わります。
その後、高校で習う文法についても
「聞かれたら全て答えられる」、「どのページを開いても分かる」、
というレベルにまで仕上げましょう。
多くの人がここ辿り着くまでに挫折してしまいますが、残念ながらこれだけは避けては通れません。高校の文法完成、まずはここを目指しましょう。
おすすめの単語帳はこちらでもご紹介しています。
多読と精読(多聴と精聴)

単語帳1冊と高校レベルの文法書を一通り仕上げられたら、その後はとにかくたくさん文章に触れましょう。ここからが英語の楽しさを実感できるところです。
英語がどれだけ読めるかというのは、
結局のところ、これまでにどれだけ多くの英語に触れてきたかにかかっていると思います。
英語の教科書に載っている文章も本気を出せば1日、2日で読みきることはできると思います。それくらいの勢いです。ガンガン読みましょう。
新しい単語は20回ほど目にしてやっと覚えるといわれています。単語帳をやっているだけだと、なんとなーく抽象的な概念として覚えているだけで自分の言葉になっていません。いろんな文章を読んでいくことで本当の意味での語彙力を獲得していきましょう。
また、今はYouTubeやネットフリックス、その他SNSなどから気軽に英語に触れる機会がたくさんあります。英語学習の無料アプリもたくさんあるので読むだけでなく耳で慣らしていくことも大切です。
発音練習をしよう

受験生を見ていて意外と多いのが、音声を全く通さずに英語を勉強している人です。つまり眺めているだけ、目で追って読んでいるだけ、という人です。
そうではなく、実際に聞いたり、発音したりすることを日常的に行いましょう。その上で発音の練習は意外と不足してしまいがちですが、非常に重要です。
例えば、
・hat、hut、hotの発音の使い分けができますか?
・アメリカ英語とイギリス英語の発音の違いは分かりますか?
・「njúːzpèɪpər」という発音記号は読めますか?
英語を勉強する際に、普段から文字だけでなく”音”を意識して勉強していないと太刀打ちできないでしょう。
例えば、ターゲット1900のアプリ。あれはかなり優秀です。
https://www.obunsha.co.jp/pr/tg30/
単語の発音だけでなく、あれくらい短い例文に慣れておくことは共通テスト対策としてもかなり有効だと思います。
また、単語から一からやり直したい人は、こちらの教材がおすすめです。
またYouTubeでも発音に関する優良動画はたくさんあります。
気になるものは一度YouTubeでも調べる習慣をつけてみましょう。
https://www.youtube.com/channel/UCX2tvXwAItLs5RhFFSGn9LQ
その場面の絵が浮かぶ状態にする

リーディングでもリスニングでも求められていることはその状態が絵に浮かぶかどうかです。
例えば、リスニングでこんな表現が聞こえてきたとします。
“She often goes out and plays with her friends.”
そして、問題に以下の選択肢があるとします。
①She usually goes to the play.
②She is active.
答えに相応しいのは①と②どちらでしょう?
この場合、答えは①ではなく、②が適当です。
※①は「彼女は普段から劇を見にいく(the play:芝居)」という意味
このようになんとなく聞こえてきたor文章中に出てきた単語だけにフォーカスして選んでしまうと、間違ってしまう可能性があります。普段からいかに読んだもの、聞いた内容から絵を浮かべる練習をしているかが問われています。
最後はテクニック
あくまで共通テストは根本的な英語力があれば解けるのですが(逆に言えば英語力がなければテクニックだけではいい点数は取れません)、
最後はやはりテクニックになってきます。
誰でも意識次第でできるテクニックを3つに絞ってご紹介します。
前から順番に解く
共通テストではよく解く順番が議論に上がります。
国語でも古文から解くか漢文から解くかは人によって様々です。
英語も配点の高い第5問、第6問から解くという人もいるかと思いますが、
おすすめなのは英語は””最初から解く”ことです。
理由は簡単で、英語脳に切り替わる前に難しい文章を読むのは難しいからです。
ほとんどの場合、最初の方が文章が簡単で後半になるにつれて難しい文章になっていきます。確かに、配点は後半の方が高い傾向にありますが、頭が英語に切り替わる前に難しい文章を解き始めるよりは、徐々に脳みそを英語に慣らしていってから難しい文章を読む方がいいと思います。
ただ目標が7割くらいの人は第5問、第6問にじっくり時間を割くという意味ではアリかもしれませんが。
消去法をうまく使う

共通テストはとにかく情報処理が大変です。
問題文の選択肢から本文の根拠をいちいち全部探してくるのはかなり面倒な問題があります。
そんな時に有効なのが消去法です。普段、英語の問題を解くときは常に解答根拠を探すことを癖づけておいた方がいいですが、共通テストに関しては時間との勝負なので、問題によっては消去法の方が早く回答できることがあります。
この辺りは慣れが必要なので特に第4問以降に関しては形式慣れしておいた方がいいでしょう。
捨てる問題を見極める
自分の実力を発揮できない人の共通点として、
時間配分が挙げられます。
つまり、難しい問題に時間をかけすぎて解ける問題に時間を割けていないということです。わからないものはわからない、とすっぱり次に切り替えるメンタルも重要になってきます。
分からないと思ったら「最後に時間が余ればもう一度戻ってこよう!」という気持ちで一旦飛ばして次に進みましょう。